政治家が高校の模擬選挙にやってくる国がある

ノルウェーでは選挙の年になると、「若い世代のための選挙」も前夜祭のようにセットになっている。

通常の選挙のおよそ1週間前に、高校で「学校選挙」と現地で呼ばれている「模擬選挙」が行われるのだ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/abumiasaki/20210906-00255328

 

授業の一環として模擬選挙を行うことがあります。日本でも18歳になれば選挙権が与えられるようになり、高校生が政治の事を考える時代になっています。そんな中でノルウェーでは選挙が行われる年になると、学校で模擬選挙が行われます。

 

生徒たちを前に各政党の政治家が集まる

ノルウェーで行われる「学校選挙」は、いわゆる模擬投票と呼ばれるもので、実際に政党から話を聞いて投票していきます。ノルウェーでは各高校でこうした選挙が行われ、それぞれの高校に政党の関係者が招待されます。実際に参加するのは実際に議員を務める人物などで、招待する政党は国会で議席を持つすべての政党です。日本であれば自民党や立憲民主党だけでなく、共産党や日本維新の会、れいわ新選組などすべての政党が呼ばれ、そこで討論を行います。そして、事前に選挙広場を作り、各政党がブースを作って生徒が質問をするのです。これらの結果はメディアでも報道され、党首たちもこの結果に一喜一憂します。

 

投票率を上げるためのヒントが詰まっている

日本では若者の投票率の低さを嘆く声が多いですが、実際に投票率を上げるために行っていることは非常に限られ、とても投票率の抜本的な底上げにつながらないものがほとんどです。しかし、ノルウェーの場合は模擬選挙を通じて政治を理解し、比較検討を行う癖や妥協してでもよりよい投票行動を目指す姿勢が見えるようになります。ちなみにノルウェーには与野党9つの政党があり、右派左派、中道に分かれています。これだけの政党が一堂に集まって話をしていくわけですから、もし日本であれば混乱が生じるのではないでしょうか。

 

学校に政治色が出ても認められるノルウェー

こうした模擬選挙の結果は国全体に公表されるわけですが、すると、学校によって右派が多い、左派が多いということがわかります。もし日本であれば、国全体で騒然とし、ネット上では若者たちの判断を嘆く人も出てくるでしょう。しかし、政治色が出ることに対してノルウェーでは何も咎められず、むしろ淡々と受け止めて選挙対策を練ります。成熟した国民たちはそのようなことで咎めたり、民主主義を否定したりするようなことはしません。日本の若者たちの投票率を上げるためにできることはたくさんあるとともに、日本では色々厳しそうなのが伝わってきます。

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